風景をリアルに再現したジオラマの中でお気に入りの車両を颯爽と走らせるのが鉄道模型の醍醐味です。
市販のストラクチャーを買い揃えて配置するだけでも十分に楽しめますが、自作こそジオラマ作りの本懐と言っても過言ではありません。リアルなジオラマを作るには何よりも材料選びが重要なポイントです。建物や樹木を一つ作るにしても作り方だけではなく、質感を再現するのに最適な材料を選ぶことを心がけます。特に池や林はジオラマ全体に大きなアクセントを持たせることができるので、上手に仕上げれば立体感のある、本物そっくりな風景を作ることも不可能ではありません。
初心者にありがちな平面的な仕上がりを避けるためにも、池や林の効果的な作り方を学ぶことが大切と言えます。
ジオラマで池を作る場合、もっとも難しいのは水面の再現です。ひと口に池と言っても透き通るような綺麗な水や、水草で覆われている汚れた水など表情は様々です。また、周囲の環境もそれぞれ異なるので、池を作る際はイメージを明確に決める必要があります。風でわずかに波立つ水面を再現するなら模型用の透明シリコンを流し、乾燥する前に筆の先で凹凸を作るのが効果的な方法です。しかしこの方法はジオラマ作りに慣れている中級者以上に向いている方法なので、初めて池を作る人には容易ではありません。初心者の場合はムラのある汚れた緑色に塗った透明のプラスチック板を貼り付けるのが簡単な方法です。緑色は水草や水の汚れを表現しています。
林を作るのは池と比較すると非常に簡単です。模型用の樹木を複数用意してまばらに配置するだけで林が完成します。形状が異なる複数の製品を混ぜることで雑木林を再現することが可能です。市販品だけでは出費が嵩むので、緑色のスポンジと茶色のプラスチック棒を材料にした自作の樹木も一緒に置くことを心がけましょう。